2月5日(月)
- 雪が降った。
- 夜、グループホームに入居しているおばあちゃんとビデオ通話をした。90歳をとうに過ぎたおばあちゃんは年相応に認知症が進んでいて、最近はもうあんなに激ラブだった私のことさえわからない。上品なおばあちゃんがあまり仲良くない人と接するときにする、ニコニコはするけど決して本心は話してくれない感じで私との会話を進めようとするので、さみしくてかなしくてしかたなかった。
- 電話のあと、しばしぼ〜っとする。胸の中心がカサカサに乾燥している気がして息がしづらい。元気を出したくて、風呂にゆっくり浸かり、ダイエットをしているからと最近封印していたお菓子をたくさん食べた。脂質や糖分を取ったら少しだけ気持ちが落ち着いて、歯を磨いて布団の中で細雪を読んで寝た。細雪はまだ中巻の150ページ。わかっていはいたが、週末にまでには読み終えられそうにないな。
- 夕飯:目玉焼きのせソース焼きそば、サラダ山盛り(レタス・鶏むね肉を蒸したやつ・蒸しさつまいも)
2月7日(水)
- またおばあちゃんとテレビ電話した。今日は娘も一緒。人見知りして照れ笑いをする娘を見て、おばあちゃんは何度も何度も「かぁわいいね〜」と言っていた。それを見て私は「その言葉はちょっと前まで私に向けられたものだったのになー」とちょっと悔しかったし悲しかった。娘と張り合うなよ。
- おばあちゃんが私に「この子(娘)……〇〇ちゃん(私)より大きいですよね?」と聞いてきたので、「私がその〇〇だよ!32歳の〇〇!そんでこの子はおばあちゃんのひ孫!」と言ったら、おばあちゃんが「えぇ〜!??本当!?!あなたが〇〇ちゃん!!??」とめっちゃ驚いていて思わず笑ってしまった。そりゃ、眼の前にいる知らん女が急に自分の孫を自称してきたら驚くわな。「私が〇〇ちゃん」というゴマキのような会話を30秒に1回くらいしながら天気の話などをしていたが、10分経たないくらいでおばあちゃんが明らかに疲れた顔をしていたので、「また電話するね」と言って電話を切った。
- 横道誠『ひとつにならない 発達障害者がセックスについて語ること』を読んだ
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- 発達障害を公表している著者が、同じく発達障害者を抱えている人に自身のセックスや性に関する考え方や体験談を聞く本。
- 私は自分が発達障害なのではないかとにらんでいる(しかし、診断がつくのもつかないのも怖いので病院には行けていない)から、この本を読みながら何度も「わかる」と思った。そして同じくらい「わからない」思った。同じ名前のついた特性を持っていても、ちゃんとみんな違うんだなって思ってホッとした。
- たんたんとインタビューが進む本ではなく、著者が共感できないと思ったら「これには同意できない」みたいなことを言ったり、途中で自分の思い出をぶちこんでくるのがよかった。なんらかのハンディキャップを抱える人へのインタビュー本って、たまにインタビュアーとインタビュイーが対等じゃないように感じることがある。その人の欠けているところをわかりやすくためなのか、悲しいエピソードを盛って、過度に演出して、無理やり一段高いところに上がらせて見せ物にしながら質問をぶつけているように感じることがある。でもこの本は、本当に同じ立場から気になることは聞いて、自分とは異なる意見ならちゃんと首を捻るってことをやっていてよかった。
- 夕飯:ほっけ弁当
2月9日(金)
- 春を感じる暖かい日があったと思ったら雪が降る日があったりと、ここ最近気温の上下が激しいからか娘の癇癪が輪をかけてひどい。明日から旅行に出かけるというのに、ろくに準備もせずに早めにグッタリ就寝。
- 夕飯:カレー(トッピング:アボカド・キャベツのおひたし・金時豆)
2月10日(土)
- 去年、一緒に上野で食べた友人の結婚パーティーに出席するために、神戸へ行った。
- 家を出る直前までどの本を持っていくかなかなか決まらなかったので、本棚の目に付く場所にさしてあった伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』を引っこ抜いてカバンに入れてきた。夫の『ゴールデンスランバー』。実は今まで「ベストセラー作家だから」と逆張りして読んだことのなかった伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』。
- コテコテ関西弁な美容師さんにヘアメイクしてもらって、ついに友人の結婚パーティーへ。月並みな表現になってしまうけれど、友人はすごくきれいだった。白無垢はお人形さんみたいだったし、カラードレスは妖精のようだった。緊張すると口を一文字にするという、出会ったころから変わらないクセが今日もバリバリ出ていて、隣りに座っている同じく学生時代の友人と「緊張してんね〜」と笑いあった。そんな彼女を見ながら「今日のために色々準備してたんだろうな〜彼女にとって今日がいい日になるといいな〜」などと思っていたらなんだか私まで緊張してきてしまい、ドキドキをごまかすためにグラスに口をつけていたら、気がついたらパーティが終わる頃には瓶ビールを2本も開けていた。
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- パーティーのあとには、三宮の飲み屋街に友人たちと繰り出す。入った海鮮系の居酒屋が何を食べてもおいしく、さっきまでたくさん飲み食いしてたはずなのにモリモリ食べて飲んだ。
- 22時くらいにお開き。みんなとはホテルが逆方向だったので、駅前で別れてからはプラプラ散歩しながらホテルに戻った。一人でどこかの飲み屋に入ってみようかなと思ったけれど、調子に乗って飲みすぎて明日二日酔いにでもなったりしたら後悔してもしきれないなと思ったので、コンビニでカール(もう関東では買えないカールが普通に陳列していた)とジャスミンティーを買って、ホテルの部屋で読書しながら食べて、のんびりシャワーを浴びて、日付が変わる前に寝た。
2月11日(日)
- 6時に起床(やる気満々!)。せっかく一人で旅行に来たんだから、行きたいところには全部行ったろ!な、日。
- まずは生田神社をお参りして
- 元町・中華街で肉まんを食べ、
- 電車に乗って大阪へ向かい、どうして見てみたかった太陽の塔を間近で見て感動し
- 道頓堀へ行って人混みにビビり
- 本屋巡りをしながら歩き回り、天満駅で一人飲みをして出会った人にほぼ地元の人しかいないという立ち飲み屋に案内してもらい、
- その店で出会った女性が偶然明日東京に行く予定だというので「今日一緒にいきましょうよ〜〜〜」と言ったらなんとOKをもらえたので一緒に新幹線に乗って東京へ帰り、とりあえず歌舞伎町で酒を飲んで、テンション上がって「ホストクラブ行ってみようや!」となって案内所に入ってみたがホストクラブは24時で終わりだよと言われ、代わりに女性も働いているボーイズバーみたいなところに案内してもらい、元でんぱ組.incの根本凪さんに激似の女性店員に篠田節子の『仮想儀礼』をおすすめして、カラオケで始発を待って自宅に帰った。
- 今回の旅行で面白かったこと
- 「大丸神戸店」にある方向案内が「海側・山側」なのが目新しくておもしろかった。駅方面とか公園口っていう案内は東京でも見かけたことがあるけれど、自然を案内で見ることってなかなかないかも。しかも海と山。この辺の人たちにとって他のどんな大通りや建物よりも、海とか山の方が方角がイメージしやすいんだな。
- 同じく神戸にある「元町駅」の改札を抜けたところ(1階)に、ホーム(2階)にある発車時刻表を写したテレビが置いてあって「頭いい〜!」って感心した。改札を抜けたところに時刻表がないと不便だけど、新たに導入するとなるとお金もかかるし、工事も大変だもんね。これならはるかに安く済むもんな〜効率的。
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- 東京の駅も見習って欲しい!新たな機械を導入するために1年近く工事していることもあるもん。無駄だ。
- あと、大阪の御堂筋らへんの道が、まっすぐすぎ&等間隔に曲がり角があり、面白いを通り越して少し怖かった。
- 遠くの方まで見渡せて面白かったけど、今自分がどこにいるのかわからなくなって迷いそうになった。GoogleMapも碁盤の目のようで不気味ち感じた。あまりに非現実すぎて、曲がる道を間違えたらまた同じ道にループしちゃうんじゃ……と考えて不安になり、こぶしをぎゅっと握って歩いた。
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- こわかった話で締めるのはバッドバイブスなので、最後に私が南京町でトラのぬいぐるみと見間違えた、ただの黄色い網の写真をご紹介します。見えませんか?トラのぬいぐるみに。見せませんね。それではまた。